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無理矢理自分を納得させようとしていると、漣星が楽しそうに言い出した。

「それじゃ、馬を用意して来るね。飛龍の馬はあっちに繋いであるけど、輝夜も同じ馬で行くよね?」

「それは別にいつも……」

飛龍と輝夜が同時に口を開き、お互いを見て沈黙した。

「他にも色々着替え用意してありますから、着て下さいね!」

「ええっ?まだあるの?」

「冗談ではない。人で遊ぶな!」

「まあまあ、いいじゃない。さあ、支度するよ」

流されるように動き出しながら、飛龍は脱いだ衣を裂いて包んだ懐剣をそっと取り出した。

その感触を確かめて、輝夜の姿を目で追う。

これを返さなくてはならない。

命を守ってくれた彼女の懐剣を、伝えたい言葉と共に。

罪を重ねながら多くの犠牲を踏み越えて生きて行くのだとしても。

彼女がいてくれるなら、そこに一条の光を見付けられるかもしれない。





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Reservoir Amulet