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支度を整えてまほろばへ報告の遣いを送り、出発する頃にはもう夕方になっていた。

飛龍と同じ馬に乗った輝夜は、しばらく何も言わずに空を見詰めた。

夕焼けの紅に染まる空は、息が止まる程に美しい。

自分はあとどれ位、この美しい風景を見ていられるのだろう。

取り留めも無くそんな事を考えていると、後ろの飛龍が不意に何かを呟いた。

それは風の音に紛れてしまう程微かな声で、輝夜は聞き取れずに尋ねる。

「え?飛龍、何て言ったの?」

「……有り難う」

「えっ、何が?」

突然の言葉に驚いて聞き返すと、飛龍が苦笑するのが分かった。

「お前に、俺は命を救われたようなものだろう。だから、礼を言う」

そう言って、飛龍が布に包んだ懐剣を後ろから差し出した。

「これを返さなくてはな。鞘は持っているか?」

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