16
飛龍は深く息を吐くと、上手く口に出来ない言葉の代わりに言った。
「疲れているならそのままで良い。落としたりしないから、安心して眠っていろ」
「……ええ」
素直に頷いた輝夜の様子に、その細い体を支える腕に力を込める。
本当に、いつも強がりで意地っ張りで可愛げの欠片も無いと思うけれど。
静かにしていれば綺麗な娘なのだ。
采女の派手な衣装を纏っても違和感が無い位に。
男勝りに腕が立っても、体つきや肌の白さは自分とは全然違って。
女だと知っているのに、側にいても不快でないのは何故なのだろう。
皆同じだと思っていたから、今まで特に興味も持てなかったけれど。
輝夜は他の女とは違う気がする。
だからだろうか。
『私は貴方の人を大切にするその優しさは、とても尊いものだと思うわ』
もっと知りたくなって来る。
もしも自分の心を開け渡せばずっとこうして共にいられるなら、それも悪くないなんて考えてしまう程に。
知りたくなる、輝夜の事を。
- 234 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet