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闇の地へと着いたのは、筑紫を旅立って数日後の事だった。

各地の領主に取り入りながらじわじわと勢力を広げていた闇に属す人々が住んでいる地は、熊野の峠を越えた先にあるという。

「こんな所に闇の人達が住んでいるなんて知らなかったわ」

「結界が張ってあるからね。知られてないんだ」

漣星はそう説明して、飛龍の方を振り向いた。

「大丈夫かい?さっきから黙り込んでるけど」

「そういえばそうですね。何か気になるんですか?」

「……いや」

今は道が狭い為に馬を引いて歩いている。

馬を降りた時から輝夜がそっと手を繋いで来た。

輝夜は何も言わなかったけれど、その理由は分かる。

光の血が最も濃い飛龍が闇の地へ入る事は、その地の神々が敵として迎えるかもしれないという事だ。

だから鎮めの力を持つ輝夜は飛龍の手を取って、それを少しでも抑えようとしている。

今までの道程で荒御魂と遭遇する事が少なかったのも、きっと。

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