20
結界を抜けた先に待っていたのは、変わり果てた大地の光景だった。
緑は無く花も咲かない、乾いた砂を時折風が運んで行くだけの。
まだ昼間なのに辺りも薄暗い。
闇の人々が住む地には、もう八百万の神々の加護は無い。
「分かった?だから僕達は住む場所が欲しくて光と戦って来た。もう此処には長くは住めないからね」
「……どうして、こんな」
立ち尽くした輝夜が、声を震わせて呟いた。
その手を握る自分の手に力を込めて、飛龍は暗い瞳で目の前の景色を見詰める。
「そうか。やはり神は人間を見限ったのだな。そうでなければ、これ程の荒廃が許される筈が無い。闇がそうなら光もいずれはこうなるだろうが」
「それは、神がもう僕達を見捨てたという事ですか?」
まだ光の地ではあまり表には出ていない事が、此処では明らかに目に見えて分かる。
八百万の神々も天つ神も、人間の声はもう聞かないと。
「違うわ」
不意に輝夜が、いつに無い激しさで言った。
「例えそうだとしても、まだ間に合う筈よ。諦めないで、飛龍」
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Reservoir Amulet