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蒼い瞳が、飛龍を真っ直ぐ見据えて離さない。

光る眼差しは、他の者に見えない何かを見ているようで。

「神は人ではない。神は神でしかないのよ。大地を治めるのに、神など頼ってはいけないわ」

「輝夜?」

「人が何とかしていかなくてはならないの。大地を救うのに神の力は借りられない。人が自らの手で守らなくては。此処は人の住む世界でしょう、飛龍」

風の音が辺りに響く中、輝夜の声は凛としてよく透る。

「私は、貴方ならそれが出来ると思う。国の為、民の為にあるのは貴方だから。貴方にとってその事実が幸いなのかは分からないけれど、でもそれだけは変わらない。そして私は、そんな貴方の為にいるのよ。……私は、貴方のものだから」

語る内容はよく理解出来なかったけれど、その張り詰めた心を少しでも溶かしたくて。

飛龍は繋いでいない方の手で輝夜の頭をそっと撫でる。

「分かっている。俺に出来る事ならやってみよう。だからお前は何も心配するな。お前がよくやっている事は、俺も皆もよく知っている」

「……ええ」

一瞬泣きそうな瞳で頷いてから、輝夜が空に目を向ける。

「とにかく移動した方が良いわ。荒御魂が集まって来ているみたいだから」

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