27


まだ間に合う筈だから。

諦めてしまわなければ、終わりではない。

終わりになんて、させない。

貴方の愛するこの世界を、自分も愛しているから。

だから、だからどうかもう一度。

「もう一度、機会を……!」

辺りを取り巻く冷気が、ふっと和らぐのを感じた。

代わりに暖かな風が吹き抜ける。

目を開けると二人を囲んでいた神々の姿は見えなくなり、その力がこの地を包むのが分かった。

輝夜が小さく息をついて、差し伸べていた手を下ろす。

「……輝夜」

飛龍は思わず輝夜を見詰め、その名を呼んだ。

見慣れた筈の横顔から、不思議な程に目が離せない。

一体、この少女は本当は。

輝夜が飛龍の方を向いて微笑む。

いつもと同じ微笑が、何処か寂しげに見える。

何を言えば良いのか分からないまま口を開き掛けた時、輝夜がはっとしたように空を見上げた。

- 245 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet