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その視線を追った先にあるのは、太陽。
しかし今、その姿が徐々に見えなくなって行く。
黒く塗り潰されて行くように。
闇に飲まれて行くように。
太陽が、隠れてしまう。
辺りが闇に包まれる。
「あれは……」
「飛龍、逃げて!」
輝夜が叫んだ瞬間、体の全てが闇に捕らわれたような感覚があった。
穴の底に吸い込まれるかのような、限りなく静かで音の無い。
無明の空間に捕らわれる。
「……っ!」
「飛龍!」
全てが闇に溶け込む中、輝夜は必死に手を伸ばした。
絶対に死なせない、貴方だけは。
(お願い、間に合って!)
自分の手が届いたかどうか確かめる事も出来ずに、意識が遠くなる。
守りたいのに。
貴方がこの豊葦原を、そこに住む人々を大切に思っている気持ちが。
今の私なら、理解出来るから。
何かを誰かを大切に愛しく想う事を、貴方が教えてくれた。
だから、貴方を失いたくない。
守りたい、貴方を。
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Reservoir Amulet