09
「……飛龍?飛龍!」
不意に、とても近くで名前を呼ばれた。
別れを告げた筈の温もりが手に触れる。
優しく微笑む瞳が目に映る。
「間に合ったわ。貴方を捜していたの」
「……輝夜?本物か?」
「ええ。遅くなってごめんなさい。言ったでしょう、勝手に死んだりしたら許さないって」
それでもまだ信じられなくて頬に触れるように手を伸ばすと、温かな手に包み込まれた。
「捜したのよ。飛龍に会えるなら、黄泉路だって辿ってみせるわ。私は、貴方のものだから」
「そうか。お前は、本当に」
飛龍は体を起こすと、輝夜を見詰めて笑った。
「本当に、変わっているな」
「……飛龍?」
その笑顔がいつもと違うような気がして思わず呼び掛けると、飛龍は穏やかな顔のまま言った。
「どうかしたのか?輝夜」
「あっ、いえ。何でもないわ。さあ、そろそろ帰りましょうか」
- 257 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet