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「……飛龍?飛龍!」

不意に、とても近くで名前を呼ばれた。

別れを告げた筈の温もりが手に触れる。

優しく微笑む瞳が目に映る。

「間に合ったわ。貴方を捜していたの」

「……輝夜?本物か?」

「ええ。遅くなってごめんなさい。言ったでしょう、勝手に死んだりしたら許さないって」

それでもまだ信じられなくて頬に触れるように手を伸ばすと、温かな手に包み込まれた。

「捜したのよ。飛龍に会えるなら、黄泉路だって辿ってみせるわ。私は、貴方のものだから」

「そうか。お前は、本当に」

飛龍は体を起こすと、輝夜を見詰めて笑った。

「本当に、変わっているな」

「……飛龍?」

その笑顔がいつもと違うような気がして思わず呼び掛けると、飛龍は穏やかな顔のまま言った。

「どうかしたのか?輝夜」

「あっ、いえ。何でもないわ。さあ、そろそろ帰りましょうか」

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Reservoir Amulet