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「皆が命ごと、己の全てで理想を預けてくれた。しかし俺にはどうする事も出来ない。死んでも悔やみ続けるだろう」

静かに見詰める輝夜に向かって頭を下げる。

「頼む。帰る方法があるのなら、俺を俺の国へ返してほしい」

「……馬鹿ね。帝なら帝らしく、頼むのではなく命じたらどうなの?」

顔を上げて見た輝夜は、口調とは反対に優しく微笑んでいた。

「私が何の為に此処に来たのか忘れたの?貴方を捜しに来たのよ。そして、私はただ後を追って死ぬなんて酔狂はしないわ。私は貴方のものだから、貴方に従うの。飛龍の望みを叶えたいのよ。それが歓んで仕えるに足る人の望みなら尚更。世界は貴方を待っているわ。さあ飛龍、私に命じて。帰る術は私が知っているわ」

少しの間見返してから、飛龍が笑みを浮かべて口を開いた。

「命じる。俺を豊葦原へ帰せ」

輝夜は頷き、飛龍の前で深く頭を下げる。

「御意のままに。この身に宿る力の片鱗を、私の信じる貴方に捧げましょう」

その言葉と共に、輝夜の体が光に包まれた。

「輝夜?」

見守っている間に、柔らかな輝きは飛龍の方まで広がり包み込んだ。

同時に静かで強い何かが、体の中を駆け抜けたような気がした。

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