12
やがて光が収まっても、胸の辺りに暖かな力が宿っている感覚が消えない。
輝夜は顔を上げると、飛龍を見て微笑した。
「飛龍、帰りましょう」
「……ああ」
並んで歩き出しながら、輝夜の横顔を見詰める。
一体、この少女は本当は。
訊きたい事も言いたい事も沢山あるのに。
それを口にしてしまって尚、輝夜は当然のように側にいてくれるのだろうか。
あの夢と同じように、儚く消えてしまったりはしないだろうか。
その時、輝夜が不意に足を止めた。
「やっぱり、そう上手くは行かないわね」
低く呟いた瞬間、辺りの景色が一変した。
日が陰り、激しい風が吹き荒れた。
花や草は枯れ、風に巻き上がる。
美しかった風景は、一瞬にして嵐の前のように不気味に暗く変わってしまった。
「飛龍、逃げるわよ」
輝夜に袖を引かれて、慌てて走り出す。
背後に何かが迫って来ている事は、振り向かなくても分かった。
- 260 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet