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やがて光が収まっても、胸の辺りに暖かな力が宿っている感覚が消えない。

輝夜は顔を上げると、飛龍を見て微笑した。

「飛龍、帰りましょう」

「……ああ」

並んで歩き出しながら、輝夜の横顔を見詰める。

一体、この少女は本当は。

訊きたい事も言いたい事も沢山あるのに。

それを口にしてしまって尚、輝夜は当然のように側にいてくれるのだろうか。

あの夢と同じように、儚く消えてしまったりはしないだろうか。

その時、輝夜が不意に足を止めた。

「やっぱり、そう上手くは行かないわね」

低く呟いた瞬間、辺りの景色が一変した。

日が陰り、激しい風が吹き荒れた。

花や草は枯れ、風に巻き上がる。

美しかった風景は、一瞬にして嵐の前のように不気味に暗く変わってしまった。

「飛龍、逃げるわよ」

輝夜に袖を引かれて、慌てて走り出す。

背後に何かが迫って来ている事は、振り向かなくても分かった。

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