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「あれは黄泉の軍ね。私達を逃がさないつもりのようだわ」

「どうする?戦うのか」

「戦っても、勝ち目は薄いわね。この戦力差では」

輝夜は走りながらも冷静に言う。

「けれど勝てない訳では無い。あの軍の長を説得出来れば……」

足を止め、死霊の軍を見返す。

「闇の神、ご覧になっておいででしょう。私の言葉にお応え下さいませ」

目を閉じて語り掛ける輝夜の周囲には、神々しい光が溢れ出す。

その光に阻まれて、黄泉の軍も近付く事が出来ない。

「この飛龍は光と闇の素質を持つ帝なのです。きっと豊葦原を変えてくれる。貴女様の愛したあの世界を」

その横顔も眼差しも今まで見た事の無い程大人びていて、飛龍は目を離せなくなった。

「黄泉から還るのは許されない事かもしれません。しかし許されないのは私も同じなのです。私も許されぬ身でありながら地上に焦がれ、人に焦がれる者でございます。私は今はただの小さな娘ですが、これだけは分かります。本当は光も闇も無いのだと。人は神が思うより強く懸命です。飛龍がいれば、きっと争いの無い世界へ導いてくれるでしょう。そう信じているからこそ、私は飛龍を捜して此処まで来たのですから」

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