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輝夜の語り掛けに直接の反応は無いが、黄泉の国の女神が耳を傾けている事は感じられた。
祈るように手を組んで言葉を紡ぐその姿は、まさに。
「お分かりになりませんか。飛龍は光に生きる者でありながら、同時に闇に属す者を理解出来る。その特質を持っている。そんな彼ならば導いてくれるでしょう。貴女と、貴女の愛した光の神のご意志のままに」
輝夜は小さく息を吸い込んで続けた。
「争いは終わり、世界は生まれ変わるでしょう」
しばらくは静寂が続いた。
無限にも思えた時の後、黄泉の軍は撤退した。
それは輝夜の言葉が女神の耳に届いたという証明だと思われた。
「……有り難うございます」
頭を下げた輝夜の隣で、飛龍も口を開いた。
「俺に、輝夜が望む世界へ導く力があるとは思えません。でも豊葦原を、民を愛している事は確かです。貴女の愛した大地も、全て。だから力の及ぶ限り、国の為に尽くします」
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Reservoir Amulet