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「最初の頃、うっかり尊敬してしまった自分を恨むぞ。あいつはただの馬鹿だったんだ」

「赤羽、口を慎め。仮にも相手は帝なんだからな」

「お前にだけは言われたくねえよ」

赤羽は軽く息をついて扶鋤の方を見やった。

「で?お前はさっきから何をやってるんだ?」

「領主の屋敷の見取り図を見直している。此処へ乗り込む為に来たのだろう?」

「ああ、それなんだが……」

言葉を切った赤羽が、腕組みをして考え込みながら続ける。

「幾ら領主がとんでもない奴でも、軍を動かすのはまずいんじゃねえか?飛龍は兵達を煽っていたが」

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