11


ずっと疑問に思っていた事を口に出すのに躊躇いもあった。

けれど、知らなくてはならない気がした。

彼女がまだ目の前にいる間に、本当の事を。

「それに、父上も言っていた。俺には月の姫の加護があると。お前は自分では普通の娘だと言うが、とてもそうは思えん。輝夜、お前は本当は何者なんだ?」

「…………」

輝夜は一瞬黙り込み、それからふっと息をついた。

「いつ訊かれるかと思っていたけれど、遂に訊いたわね。いつかこんな日が来ると分かっていたの。飛龍、私はこの世界の人間ではないのよ。あそこから来たの」

その視線の先には、空に浮かぶ月があった。

「……輝夜」

飛龍が呼び掛けると、少女は小さく首を振る。

「いいえ。私の本当の名は、月読【つくよみ】。夜の世界を治める者よ」

- 277 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet