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「私を此処へ降ろしたのは、何も知らず争い続ける人々の愚かさを知れば私の考えも変わるだろうという思いもあったのよ。確かに私も幼い頃、この外見や拾い子だという事で随分苛められたりしたわ」

語る輝夜の横顔に、僅かに影が差す。

「だから少しだけ人間を恨んだかもしれない。でも私を拾ってくれた両親や、出会った暖かな人々が滅びてしまえば良いなんてどうしても思えなかった。だから自分の事を全て思い出した後、貴方に会おうと思ったの」

「どうして、俺に?」

「私と同じだから」

輝夜は息をつき、微笑んで飛龍を見た。

「今の帝は帝位に就いたばかりで、もしかしたら迷ったり悩んだりしているんじゃないかと思って。私と同じように、自分のやるべき事は分かっていても、どうしたら良いのか分からないで無力さを感じたりしているかもしれない」

思い返すように細められた瞳は、僅かに潤んでいるように美しい光をたたえている。

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