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その言葉に、飛龍はただ微笑を浮かべた。

突然姿を消した輝夜は郷帰りをしているとだけ皆に伝えてあるが、それが天上だとは知らせていない。

会いに行けないから、胸が裂かれる程恋しくて。

手が届かないから惹かれるのだろうか。

「しかし驚きましたね。貴方と一緒にいる為にはるばる旅をした彼女が、今になって突然離れるとは」

角鹿もしみじみと呟く。

輝夜がいなくなってから、この豊葦原は少しずつ変わり始めた。

夜の時間が異様に長くなり、まるで何かを恐れるように荒御魂による被害も増えている。

人々の不安も募っている事は、此処まほろばからでもよく分かる。

今はその対応に追われているところだから、輝夜が急に姿を消した事に疑問を覚えるのも無理も無いかもしれない。

本当の事を知らなければ。

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