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意識を保っているのも難しい程に、強い力が体を蝕んで行く。

引きずられそうになっても、まだかろうじて踏み留まっていられるのは。

『待っているぞ、輝夜』

今も地上で自分を待っていてくれる人の、懐かしい記憶のおかげなのかもしれない。

『俺の思う民の中にはお前も入っているのだぞ。帰って来なければ許さんからな』

懐かしく愛しい想い出が、自分を繋ぎ止めてくれる。

けれど、このままではいずれ。

(くっ……。私だけでは止められない)

いずれ、力尽きる。

此処まで来て。

やらなくてはならない事があるというのに。

此処で倒れる訳には行かない。

再び意識を集中させ、自分の中の力を掻き集める。

嘆きと強い怒りに力を同調させて、更に大きく広げて行く。

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