07
「まだ続けるのか。何と愚かな」
重々しい声が響き、はっとして閉じていた目を開く。
「……大御神」
「地上に降り少しは賢くなったかと思っていたが、まだ人を救おうとするか。そなたも見たであろう。何も考えず争いを繰り返す人間の愚かさを。短い生の中で憎み合い滅ぼし合う。人の心の愚かさを」
「いいえ、それだけではありません。人の心は美しいものです」
顔を上げ、眩しい光の源を見据える。
「人は人で、それぞれの愛する者の為に日々を懸命に生きているのです。その尊い生を価値が無いなどと、誰が決める事が出来るでしょう」
「そこまで人に肩入れするか。もう我が子とは思えぬな」
「私は地上で学びました。人の、誰かを愛し想う心を。その想いは何にも代え難く美しいものです。己の無力さを知り、悩み苦しみ、時に血を吐くような思いをしながら。それでも何かを守ろうとする姿こそ、我々神が守らなければならない尊いものではないでしょうか」
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