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不意に感じた荒れ狂う気配に、はっとして振り向く。

それと同時に激しい痛みが全身を襲った。

「月読、人と成り果てた神よ。此処で消えてもらおう」

「……っ!」

「それに、もう遅い。人の世の滅びは、既に動き出している。このままでは帝も助からない。そなたの希望はすぐに潰える」

その言葉に、全ての痛みを忘れた。

このままでは、あの人がいなくなってしまう。

今も自分を信じて地上で待ってくれているあの人が。

(飛龍……!)

月読の姿が光に包まれて消え、天上に再び静けさが戻って来る。

「地上に降りたか。あれも諦めの悪い事を」

だが、どう足掻こうと同じ事だ。

人の滅びは、既に定められている。





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