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自分が無力だった故に守れなかったものがある。

失われて行くものを見る度に、自身を憎んで。

何も出来ない自分自身が許せなくて。

それは散ってしまったなら二度と戻らないからこそ、今度こそ守りたいと。

「俺も一人では出来ない事など、数え切れぬ程ある。だが仲間や民や……お前がいるから、平気な顔をしていられるのだ」

無力さを知っているから、人は強くなれる。

「俺は神ではないから、一人では生きて行けない。だが、それで良いのだろう。誰かに助けられ支えられて生き、俺もそれを返して行く。そうして初めて見える事、出来る事があるのだからな。支え合うというのは、人の持つ強さの一つだぞ」

それは弱さではない。

自分の過ちや愚かさを認めても尚、前に進む事が強さなのだと。

例え何度倒れても再び立ち上がる強さこそ、尊いのだと。

それが自分なのだから無くさなくて良いのだと笑ってくれたから。

『もしも無くしてしまったら、飛龍が飛龍でなくなってしまうでしょう』

当然のようにそう言って、それまでの苦しみも悩みも全てを受け止めてくれたから。

今のままで良いと認めてくれる存在が、強さをくれる。

だから近くで、今度は支えになりたい。

「一人で無理なら、一緒にどうするのかをこれから考えれば良い。何があってもお前は一人じゃない。そうだろう?」

輝夜は驚いたように飛龍を見詰め、やがて微笑んだ。

「……ええ、そうね。有り難う、飛龍」

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