03
「だから、すまぬと言っているだろう。お前らもしつこいな」
溜息をついた飛龍に向かって、怒りに満ち満ちた声が飛ぶ。
「それが謝る態度ですか!」
「まあまあ角鹿。理由はこれから話してくれるんだよ、きっと」
「こっちもこっちで大変だったんですよ。夜が明ける前に、いきなり飛龍殿が輝夜を抱えて転がり込んで来て。何事かと思いました」
賢彰の言葉に、扶鋤が冷静に言う。
「此処に来た時、輝夜は傷だらけで疲弊しきっている様子だった。一体何があったんだ?」
「俺も詳しくは知らぬ。ただ、輝夜はずっと戦ってくれていた事は確かだ。この世界の為に」
そして飛龍は、ふと視線を廊に立ったままの輝夜に向けた。
「後はお前から説明してくれるか。皆心配していたのだぞ、輝夜」
その優しくて深い瞳に見詰められると、息が止まりそうになる。
言葉にならないこの感情を、どうしたら貴方に伝えられるのだろう。
それとも、このまま自分でも分からないまま抱いている方が、或いは幸せなのだろうか。
「起きていたんですか、輝夜。良かった」
「驚いたんだぞ、あんまり心配させるなよ」
赤羽と角鹿の声に我に返り、慌てて口を開く。
「心配を掛けてごめんなさい」
そう言って頭を下げると、感極まった様子の賢彰が抱きついて来た。
「きゃっ!け、賢彰!?」
「もう、輝夜!目が覚めなかったらどうしようと思ってたんですよ!輝夜が眠ってる間、飛龍殿の心配を紛らわす剣の相手をさせられて、殺されるかと思いました!」
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Reservoir Amulet