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その話はまだ続いていたのか。

輝夜はとにかく賢彰の腕から逃れ、先程から全く会話に入って来ない飛龍の方を見た。

飛龍は素知らぬ顔で、一人杯に口を付けている。

「ちょっと飛龍!何朝からお酒なんて飲んでいるの!」

「美味いぞ。お前も飲むか?」

「いらないわよ!」

輝夜はそう答え、飛龍の正面に座って続ける。

「駄目じゃない、弱い者苛めしたら。賢彰、泣いていたわよ?」

「そんな事をした覚えは無いが。あの程度で泣くとは賢彰も骨が無いな」

「もう、またお酒を飲む!」

杯を取り上げようとした手を、不意に飛龍が掴んだ。

思いがけない力に、胸が高鳴るのを感じる。

こちらを見詰める飛龍の瞳はとても深く、真剣な光を宿していた。

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