06


「その様子では、もう体は回復したようだな」

「え?ええ……」

頷くと、飛龍はほっと息をつく。

そして、輝夜にしか聞こえない程の声で言った。

「心配させるな」

それから聞き返す間も無く、掴んだままだった手を放して再び口を開く。

「お前が眠っている時にも、昼間から暗くなる時間が幾度かあった。荒御魂の活動も益々激しくなっている。神の考えは、やはり変わらないのだな」

「……そうね。そして、終わりの時は近付いている」

二人の雰囲気が変わったのを見て、それまで周りで騒いでいた他の皆が集まって来た。

「神の考えとは、どういう意味なのですか?」

角鹿の質問に、輝夜は辛そうに目を細めて答える。

「言葉通りの意味よ。天つ大御神は決めてしまったの。この豊葦原を無へと還す事を」

「な、何だって!?」

「何とか止めようと思ったけれど、私一人では無理だったわ。このままでは大地も人々も全てが無に還ってしまう」

「輝夜はその考えを変えようと、一人で戦ってくれていたのだ」

扶鋤が改めて二人を見ながら口を開く。

「信じ難い話ではあるが、二人の瞳を見る限り本当なんだろう。だが、どうしてそんな事を知っているんだ?」

「ああ、それは……」

飛龍が輝夜に目を向けると、あっさりとした答えが返された。

「皆は大切な仲間だし、この先きっと隠してはおけないわ。だから話しておきましょう」

「そうか?それなら言うが、輝夜は月の女神なのだ」

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