07
飛龍の口から述べられた告白に、部屋の中に意味深い沈黙が降りた。
「……あのう、そんな真剣な顔でのろけられると反応に困るんですけど」
「月の女神なんて、飛龍がそんな気の利いた事を言うとは驚きだね。こっちまで恥ずかしくなって来るよ」
「違う。そうではなく、本当に女神なのだ」
飛龍はいつもと変わらない微笑を浮かべている輝夜を見詰めながら続ける。
「輝夜は大御神に逆らって世界を滅ぼす事を止めようとした為に、この地上に降ろされた。夜を治める月の女神、月読だ」
「……成程な」
納得したように扶鋤が頷く。
「そうでもなければ、黄泉の国から帰って来る程の力に説明が出来ないな」
「まあ確かになあ。しかし、輝夜が月読ねえ」
腕組みをして唸った赤羽に、輝夜は笑顔で尋ねる。
「何か、納得出来ない点でもあるのかしら?」
「い、いや別に!」
「まあ、こいつが女神らしくないという指摘は置いておいて、これからどうするかだが」
「ちょっと飛龍?今のは敢えて私に喧嘩を売っているの?買うわよ!」
輝夜が睨んだが、飛龍は全く気にせずに言う。
「このまま滅ぼされるのを黙って待っている事は出来ぬ。何とかして対策を……」
「飛龍殿、輝夜を放っておいて宜しいのですか?怒っているようですが。へそを曲げられてしまうと困るのでは」
「大丈夫よ、角鹿。何しろ私は飛龍の何倍も生きているのだから。広い心で受け止められるわ」
言葉の内容とは逆の口調と表情に、苦笑しながら漣星が口を開く。
「だってさ。良かったね、飛龍。彼女の心が広くて」
「日頃から、散々俺を怒鳴りつけていると思うのだが」
「誰のせいだと思っているの?」
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