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「漣星の話では、お前の舞は天女の舞のようだとか。実際天女だったのだから当然かもしれないが、そんなに素晴らしいものなら一度拝んでみたいと前から思っていたのだ」
飛龍はふっと息をついて続ける。
「それに月の姫が祈りを込めて舞ってくれれば、最高の戦勝祈願になるだろう」
「分かったわ。そんなに大したものじゃないと思うけれど、飛龍がそう言うのなら」
「では、楽の方は俺が引き受けよう」
そう言った飛龍が懐から笛を取り出すと、輝夜は再び目を丸くした。
「飛龍、笛なんて吹けるの?」
「上手くはないがな。幼い頃、剣の練習の合間に母上に教わった」
「……お母様に」
滅多に無い飛龍の昔語りに、輝夜は静かに耳を傾ける。
「まだ俺の父親が誰か聞かされる前の事だ。俺は大切なものを守って行くには強くなるしかないと思い込んで、ひたすら剣を振っていた。そんな俺に、母上は言ったのだ。それだけが強さではない。真の強さとは己の弱さを認め、それから逃げずに向き合う事なのだと」
手にした笛を見ながら懐かしく微笑む。
「馬鹿だったな。どうしてあの頃、きちんと母上と向き合わなかったのか。母上は俺に大切な事を教えてくれた、優しい人だったのに。何故今まで思い出そうともしなかったのだろう」
不思議だ、もう何年も取り出そうともしなかった笛を不意に吹きたくなって。
誰かに聴いてもらいたくなって。
その誰かを考えた時、一人しか思い浮かばなかった。
いつかこうして昔の話を語った時にも耳を傾けてくれた、大切な存在。
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Reservoir Amulet