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やがて曲が終わり、飛龍は笛から口を離した。

動きを止めた輝夜に向かって言う。

「見事な舞であった」

「有り難う。飛龍の笛も素敵だったわ。折角だから他の皆にも聴いて欲しいわね」

「冗談ではない」

考える間も無く否定して、飛龍が笛を仕舞う。

「どうして?皆きっと歓んで聴いてくれるのに」

「今はそれどころではなかろう。とにかく皆に説明に行くぞ」

「ええ」

頷いて後に続こうとした輝夜は、少し考えてから再び口を開いた。

「いつも飛龍の事を考える理由を、いつかきっと伝えるから……。だから、待っていてね」

その時の輝夜の月光に照らされた微笑みが、何故か胸に焼き付いた。

それは笑っているのに泣いているように見えたせいだろうか。

それとも、以前の別れの夜と同じ微笑に見えたからだろうか。

けれどその気配はすぐに消えて、いつもの輝夜に戻ったから。

聞き返せないまま、微笑み返す事しか出来なかった。

触れ合った手を繋いで歩く二人を、今は月だけが静かに見守っている。

進む二人の道行きを照らして。

想い出を積み重ねる人と神を、優しく見守る月の光。





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