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「自分が過ちを犯すかもしれないと知っているからこそ、今まで何度も間違ったからこそ、見えるものがあるのです」
『下らぬ。愚かなる人の子よ。移り行く世で、短い命で、考えもせずに争う。理由を己に問うてみる事も無く、古より続く流れに乗るしか出来ぬ人の子らよ。今更何が出来ると申すか』
怒りと諦めを含んだ声は低く体の底まで響く。
『その手で、廻り続ける世界を壊せるか。それ程の覚悟はあるか。とてもそうは思えぬ。弱き者が何人集おうとも、既に定めは見えている』
「いいえ。見えていないのは貴方の方です」
不意に凛とした声が大御神の言葉を遮った。
「確かに人は弱いでしょう。しかし同時に、限り無き強さを秘めているのです。それがお分かりにならないのですか」
輝夜は息を吸い込み、静かに言い放った。
「その強さは、神により定められた滅びの未来さえ変えてみせるでしょう。争いは終わり、世界は生まれ変わるでしょう」
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Reservoir Amulet