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「凄いね、輝夜の力は」
いつの間にか近くに来ていた漣星が言う。
「彼女の力は天照にだって負けてない。そして僕達は、その輝夜の加護を受けてる。少し位無茶したって大丈夫だよ」
「そうですね」
頷いて、再び太刀を手に駆け出す。
本当に、不思議と負ける気がしない。
神を相手にしているというのに、感じるのは恐怖ではない。
体の底から、暖かなものに守られているような安心感がある。
飛龍は視線を流して輝夜を見た。
日神、天照は活動する力、目覚めの力を持つ。
対して月神、月読は鎮めの力、眠りの力を持っている。
どちらが強いかなどと、本来なら比べられるものではない。
その力が釣り合って、世界は成り立っている。
それなのに、輝夜の放つ力は明らかに天照を上回っているように思えた。
力が対等ならば、この強さの理由は。
『貴方が帝としてこの豊葦原を担うなら、私は神として月読として天上での神々の行いに責任を負っているのよ。だから誰も死んだりしない。死なせないわ』
悲観し身を隠そうとしている天照との、戦う理由の差か。
背負っているものの差が、奥底に眠る力までも呼び覚ます。
もしもそうなら、意志の力はこんなにも強い。
その事を、天つ大御神に証明してみせる。
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