23
凍えそうな程の悲しい冷たさが、心を掴むようで。
声にならない絶望の叫びが全身を刺し貫くようで。
己の身さえ確かではなくなる中で、それでも前を見据えていられるのは。
力強く手を握って体を支えていてくれる人が、隣にいてくれるからだ。
(姉上、お願いです……。どうかお聞き入れ下さい)
闇から溢れる光の中心に向かって、心の中で語り掛ける。
(世界を照らす事を止めないで下さい。人の強さに、美しさに気付いて……!)
解き放った力が、体を飲み込んで行くような気がした。
手足の感覚が無くなり、気力を使い果たして意識も薄れる。
「輝夜!」
自分の名を呼ぶ飛龍の声も遠い。
それでも意識が途切れる寸前、輝夜は天の岩屋戸が開いたのを感じた。
- 322 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet