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『礼には及ばぬ。我は約定を果たすのみ。天上から見ていよう。そなたの働きを』
輝夜が飛龍の袖を引いて言った。
「良かったわね。頑張るのよ、飛龍。これからはもう遊んでなんていられないわ」
「その通りです。しっかり働いて頂かねば」
不意に角鹿が割って入り、扶鋤も頷く。
「目を離さないようにな。またふらふら出歩かれては迷惑だ」
「自分で平和な国へ導くって神に向かって宣言したんだから、さすがの飛龍も少しは真面目になるんじゃないかな」
「さあ、それはどうだかな。油断は出来ねえぜ」
「そうですよねえ。何しろ飛龍殿ですし」
皆の会話を聞いて、飛龍が憤然と腕組みをする。
「黙って聞いていれば、全く失礼な奴らだな」
「心強いじゃない。本当に素敵な仲間ね」
輝夜の笑顔を見て、飛龍も少しして微笑み返す。
「……ああ、そうだな」
「貴方は一人じゃない。だから、大丈夫よ。きっと貴方の望む未来を作って行ける。貴方の統治の下での平和な豊葦原を見るのを楽しみにしているわ」
その声と口調に、飛龍ははっとした。
知っている、この微笑も瞳に宿る悲しみの影も。
「どうした、それでは……もう共にはいられないみたいだが」
「飛龍、もう一緒にはいられないの。ごめんなさい」
哀しみを殺した微笑みが、切ない。
「人の手に豊葦原は戻る。神は人に関わらず、遠くから見守る存在となるわ。光と闇で戦った日々も私と過ごした時も、全ては一夜の夢となる。私が止めた時間が動き出し、朝が来て目覚めたら何も覚えてはいないでしょう」
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