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澄んだ水の冷たさを感じると、冷静に物事を考えられる気がする。

「闇、か……」

光の名を掲げる自分が、戦うべき相手。

命を象徴する光と真逆の存在。

だが、光が命を象徴するというのは本当に正しいのだろうか。

全ての命は大地から生まれ、やがて大地に還るのではないだろうか。

そして大地を潤し、鎮めるのが水なのだ。

高き地から流れて大地を癒し、いずれは黄泉へと。

闇の女神の道を、命あるものは辿りながら生きる。

そう考えると、まるで水の流れが豊葦原の命の象徴のようだ。

ならばそれに逆らい破るのは罪ではないのか。

本当は、自分達のしている事こそが。

「こんな事を話そうものなら、正気を疑われるだろうな」

飛龍は苦笑して水から手を出した。

(土雲【つちぐも】の話を聞く機会があれば良いのだが)

闇に属す人々は、土雲と呼ばれている。

八百万の神々を崇め、この大地を巡って光と争う人々。

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