07
戦いの時はそんな事は言っていられないが、そうではない所で彼らの考えを聞く事が出来たら。
丁度自分が今身分を隠して軍に加わり、村に降りて人々の話を聞くように。
せめて闇の者の思いをありのままに語ってくれる者がいれば。
そうして分かり合う事が出来たなら、或いは。
飛龍は木々の間から見える空を仰いだ。
途方も無い話だ。
もう長い長い間繰り返されて来た争いが、そんなに簡単に終わる訳は無いのに。
分かり合えるなどという甘い考えを、今更抱いたところでどうなる訳でも無いのに。
そんな夢のような思いをどうしても捨てられないから、今も悪足掻きのようにこの豊葦原を巡る。
- 35 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet