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戦いの時はそんな事は言っていられないが、そうではない所で彼らの考えを聞く事が出来たら。

丁度自分が今身分を隠して軍に加わり、村に降りて人々の話を聞くように。

せめて闇の者の思いをありのままに語ってくれる者がいれば。

そうして分かり合う事が出来たなら、或いは。

飛龍は木々の間から見える空を仰いだ。

途方も無い話だ。

もう長い長い間繰り返されて来た争いが、そんなに簡単に終わる訳は無いのに。

分かり合えるなどという甘い考えを、今更抱いたところでどうなる訳でも無いのに。

そんな夢のような思いをどうしても捨てられないから、今も悪足掻きのようにこの豊葦原を巡る。

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