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二人に向かって小さく頭を下げて、輝夜が軽やかに飛龍の後を追う。

その後ろ姿を見ながら、漣星は呟いた。

「……何かあの娘、初めて会った気がしないね」

「確かに。飛龍殿が気に入っただけあって、不思議な雰囲気の姫君ですよね」

「まあでも、あの飛龍が恋なんてね。驚いたけどほっとしたよ。一生そういう話が無いんじゃないかって心配だったから」

賢彰は手綱を引いて馬屋に体を向けた。

「とにかく、さっさと馬の世話をして様子を見に行きましょう」

「ああ、そうだね。女性を連れて来た飛龍を見たら、皆どんな反応するか興味深いし」

「それを見逃す手はありませんよね!こんな事、この先きっと無いでしょうし」

あんな風に穏やかに微笑む飛龍は、初めて見た。

彼女に目を向ける時の瞳で、その想いの深さが分かる。

見付けたのだろう、一生を添い遂げる伴侶を。





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