22
漣星も呆れた顔で息をつく。
「やれやれ、そんな大切な事がまだなんて。幾ら女性の扱いに慣れてないからって、情けない事この上無いね」
「全くだ。それでよく彼女もお前と共に来たものだな」
「仕方無いだろう。以前いつか話すと約束はしたが、それきり会う事さえ叶わなかったのだぞ。今日久し振りに会えたと思ったら、あいつはいつも通りで何と切り出すべきか難しいのだ」
忘れてしまったのかと思う程、輝夜の態度は以前と変わらなくて。
あの夜に交わした約束さえ、儚い夢のようで。
「しかし意外ですね。貴方がそのように普通の恋をなさっていたとは」
「初々しくって微笑ましいね」
感想を述べる角鹿と漣星の横で、赤羽が難しい顔をした。
「飛龍、お前これまでに恋の一つもした事ねえよな。どうするつもりだよ」
「分からないから、お前達に訊いているのだ」
飛龍は腕組みをして続ける。
「俺としては、断られたら生きて行けないのでな。何とかして上手くこの難局を切り抜けねばならん」
- 351 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet