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「そ、そんな言い方しなくても良いでしょう!飛龍の素敵なところを皆にも知ってほしいと思うのは当然よ!貴方はいつも、自分の良いところを人に隠すのだから」

「そういう問題ではない!話がややこしくなるから、お前は黙っていろ!」

飛龍が言うと、輝夜もむきになって声を大きくする。

「またそんな言い方!だから誤解されるのよ?どうして、そうひねくれているの。全く、素直でない人と一緒にいるのは大変だわ」

「お前にだけは言われたくないな。久し振りに会った時位、素直になればどうだ」

「私の事は良いの!それより飛龍の話よ!」

「俺の話もどうでも良い!それより、今はもっと大事な事を……」

言い掛けると、輝夜が力を込めて否定した。

「何を言っているの!私に飛龍より大切な事なんて無いわ」

「俺も輝夜が一番大事だ。だが、今言いたいのはそういう事ではない!」

黙ったまま二人の様子を見ている皆は顔を見合わせる。

全く口を挟む隙が無い。

賢彰が近くにいる扶鋤に小声で尋ねる。

「あのー、聞いてるこっちが恥ずかしくなって来るんですけど、どうしたら良いですか?」

「……俺に訊くな」

「いいよ、放っておいて。僕達は宴の準備を始めよう」

漣星の提案に、角鹿も頷いた。

「そうですね。我々がいる事は完全に忘れているようですし」

「やっぱり変だぜ。あの娘、馴染み過ぎてるだろ」

そう呟きつつ、赤羽も準備の為に立ち上がる。

何を言っても今はただ。

二人の道行きに幸がある事を祈って。

祝そう、これから続く未来を。





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