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賑やかな宴の後には、夜の静けさが胸に沁みて。

見上げる月は今宵も優しく懐かしく、光を注ぐ。

「輝夜?」

不意に名を呼ばれて振り向くと、飛龍が近付いて来ていた。

「まだ眠っていなかったのか」

「……飛龍こそ」

庭に並んで月を眺める、ただそれだけの事が泣きたい程愛しい。

「俺は、お前が本当にいるかどうか、急に不安になってな」

「え?」

「今夜も月が綺麗だから、月の姫は天上に帰ってしまうのではないかと」

輝夜は微笑んで、隣に腰を下ろしている飛龍を見詰めた。

「私は帰らないわ。ずっと此処にいる。貴方と地上で生きる刹那の時は、天上の永遠よりも私を幸せにしてくれるから」

飛龍が息を飲み、やがて深く吐き出すのが分かった。

しばらく黙り込んだ後、輝夜の方を見ずに語り出す。

「扶鋤達がまほろばに来ているのは、各地にある軍を民を守る自警団にするという計画の為だ。闇の地にも、今は穏やかな春が訪れている。少しずつ動き始めてはいるが、それでもまだ俺の目指す国からは遠い。きっとこれから一生を尽くして、あの時天つ大御神に約した国の姿に近付けて行くのだろう」

深く真剣な瞳で輝夜を見て続ける。

「この先も、俺は何度も迷い過つかもしれない。だが、だからこそ輝夜に側にいてほしい。お前と共に在りたい。俺が心から愛するお前と」

「飛龍……?」

「ずっと伝えたいと思っていた。神であるお前を想うなど許されないと知りながら、それでも抱き続けた想いだ。一度は忘れ、それでも尚失えなかった。これからもずっと、側にいてくれるか?」

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