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「では改めて、正式に申し込もう。豊葦原の帝飛龍から、輝夜姫に妻問いを」

立ち上がった輝夜に髪飾りを渡し、そっと引き寄せて口付けた。

それから、輝く瞳に語り掛ける。

「『呉床座の 神の御手もち 弾く琴に 舞する女 常世にもがも』。刹那の生であろうと、想いは永遠にな」

世界を守り神から勝ち得て叶った想いは、二人をしっかりと繋いで。

温もりで呼吸で、側にいる事を愛を確かめて。

重ねた時が想い出が、やがて後世に残る伝説となる。

世界に息衝いている想いが人の心を動かし、広く伝わる。

そして帝と月の姫の恋は様々な形で語り継がれ、書き記されて行く。

彼等が彼等の時を懸命に誇り高く生き抜いて築き上げた世界が、その真実を知っている。





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