09
飛龍が高千穂宮へ帰ると、兵達と訓練をしていたらしい赤羽が近付いて来た。
「よお、お帰り。どうだったんだ?」
「どうもこうも無いな」
そう答えてから軽く笑って言う。
「随分と精が出るな」
「お前が兵を煽るからだぜ?おかげで朝からずっと放しちゃもらえねえ」
「そうか。では後で俺も混ぜてもらおう」
建物の方へ歩き出しながら続ける。
「扶鋤の部屋へ来てくれるか。話がある」
「ああ」
赤羽は汗を拭うと、飛龍を探るように見た。
いつもと変わらない様子、同じような口調。
それでも、何かが違う気がする。
強い光を灯す瞳の奥に揺らぐのは、怒りだろうか。
普段は憎らしい位に脳天気だというのに。
こういう時は、飛龍は決して心の内を口に出さない。
無理に聞き出すべきではないと思う。
けれど、だからこそ願ってしまう。
いつか飛龍を、心から支えられる存在が現れる事を。
飛龍は余計な世話だと迷惑がるだろうけれど。
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Reservoir Amulet