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「扶鋤、いるか。邪魔するぞ」

返事も待たずに飛龍が部屋に入ると、扶鋤は本当に邪魔そうな目を向けた。

「何だ、帰って来たのか。てっきり荒御魂にでもやられて、くたばったかと思ったが」

「……お前、一言目に嫌味を言うのは良くないぞ」

「誰が言わせていると思っている」

扶鋤は溜息をついて、飛龍に一枚の紙を渡した。

「領主の屋敷の見取り図だ」

飛龍が紙を開くと、そこには見張りの数や位置、撤退の際に使える通路まで事細かに書き込まれていた。

「さすが扶鋤だ。几帳面な仕事振りだな」

「よくもまあ、此処まで調べ上げたもんだ」

後ろから覗き込んだ赤羽も感嘆の声を上げる。

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