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「そういう訳には参りません」

不意に違う声が聞こえてそちらを見ると、いつの間にか痩身の男が立っていた。

「……角鹿【つぬが】か。いつからそこにいた?」

苦笑気味に訊かれて、角鹿は微笑む。

「貴方が政は俺でなくとも出来るなどと、ふざけた事を仰った辺りからです」

表面はあくまでも穏やかに、角鹿が続ける。

「帝である貴方がそんな心構えでは困ります。後に仕事を押し付けられる者の身にもなって下さい」

「だがな、角鹿……」

「だがな、じゃありません。貴方がそうしてふらふら出歩いている間にも、国勢は動いているのですよ」

言葉遣いだけは丁寧に説教を続ける角鹿に向かって、赤羽が提案した。

「あー、俺は関係無いから、帰っていいか?」

「赤羽殿、どの口でそのような事を」

いきなり冷たい視線が刺さって、赤羽は大きな体を縮めた。

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