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「貴方が宮に来たというので此処に来てみれば案の定です。主上にこれ以上余計な事を吹き込まないで下さい」
「角鹿、余計な事ではないぞ」
真面目な顔で、飛龍が口を挟む。
「俺が外の事を何も知らぬまま、宮中にふんぞり返って政をしていたらどうなると思う。戦に疲れた民の痛みも生活の現状も何一つ本当の事を知らぬままに国を治めていたら、それはきっと周りにいいようにあしらわれる無能な帝だ。俺は馬鹿かもしれんが、だからこそ知る事は大事だと思うのだ」
「最もらしいお話ではありますが、それ程国を大切になさっているのなら、真面目に朝政に出たら如何です?貴方という柱が揺らげば国も揺らぐ。それで国が立ち行くとお思いですか?」
少しも流されない角鹿に、飛龍は肩をすくめた。
この男は見かけによらず、かなり頭が切れる。
だからこそ、自分も信頼して後を任せられるのだが。
「角鹿、此処だけの話だがな。赤羽に今回頼んでいたのは潜入した闇の奴らの始末、そして調査だ」
飛龍は腕組みをして重々しく言う。
「予想していた通りだ。高千穂は既に闇に堕ちた」
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Reservoir Amulet