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場合によっては民を徴兵する事も出来るが、なるべくならそれは避けたい。
生活を支える男達を徴兵してしまえば、民の生活は苦しくなる。
だから今のところは、軍は全て自ら志願して来た者で構成されている。
「実際、各地の領主の中には闇に荷担しているのではないかと思われる者もいるな。例えば、この地の領主がそうだ」
「何だと!?」
赤羽が声を出し、扶鋤も視線を飛龍に向けて尋ねた。
「確証はあるのか」
「無いな。だが村の者の話では領主は滅多に屋敷からは出て来ないそうだ。そして、連れ去られた女を取り戻しに行った男達は屋敷に入る事も出来ぬまま捕らえられた。聞いたところでは屋敷の周りに妙な術が施してあって、足を踏み入れる事さえ出来ないそうだ。妙だとは思わんか」
「妙な術……結界か」
「恐らくな。この目で見て来た訳ではないから確かな事は言えんが」
赤羽は唸りながら腕組みをした。
「確かに妙だな。考えられるのは領主がそういう力を持った術者でも雇ったか……」
「八百万の神の力を借りているか、か」
扶鋤が後を続けて目元を鋭くした。
「もしも後者ならお前が言った通りだな。八百万の神の加護を受けられるのは、闇の者だけだ」
「だとしたら厄介だな。術者を雇ってるってんなら、そいつを倒せば何とかなるが」
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Reservoir Amulet