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今宵もまた、美しい月を肴に酒を飲む。

飛龍は月明かりの中で杯を傾けながら、静かに息を吐いた。

今夜はまだ当分眠れそうにない。

胸が何故か騒ぐから、落ち着かない。

月はいつも通りあんなにも静かで綺麗なのに、どうして高鳴りが止まらないのか。

月の光に酔ったか、それともこの夜の闇にか。

新たな酒を注ぎながら、髪をかき上げる。

揺れる酒の表に月が映る。

日の光を返して輝く月にこんなにも惹かれるのは、やはり自分が穢れているからだろうか。

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