06
「……高千穂」
角鹿がはっとしたように表情を引き締める。
黙って聞いている赤羽の顔も、同様に険しい。
「もう良い頃だ。一気に叩くぞ」
飛龍は淡々と言う。
「あの地の領主の圧政はお前達もよく知っているな?奴の裏には闇が付いている。これ以上天神の名を汚されては堪らない」
「……だから貴方が自ら動くのですか。他に頼める者は幾らでも」
言い掛けた角鹿に、飛龍はただ不敵な笑みを返した。
(全く、この方は……)
息を吐いて額を押さえる。
帝でありながらそれを公には隠して将軍として名を馳せるなど、前代未聞の異例なのだが。
何を考えているのか、一向に理解出来ない。
それとも何も考えていないのだろうか。
こんなに扱いづらい帝なんて、図体が大きいだけの餓鬼と一緒だ。
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Reservoir Amulet