10
葉と共に月光は明るさを増し、少女の姿を包み込んだ。
その光が収まってから、輝夜は祈りを捧げ終えて軽く息をついた。
村に向かって頭を下げ、体の向きを変える。
荷物を抱え直して、手にした弓を握り締める。
(もう行かないといけないわ)
まだ出会わない貴方の元へと。
さよならは次の出会いへ繋がって行く筈だから。
短い人間の一生の中で幾度も繰り返されるけれど。
終わりと始まりは、いつも何処かで繋がっている。
(ねえ、もしも貴方が悩んでいるなら。今行くから、待っていて)
自分は貴方に賭けているから。
会って、知ってほしい。
貴方はこの世界の希望なのだと。
それは同時に絶望にもなり得るかもしれないけれど。
信じてる、まだ知らない貴方を。
- 56 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet