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葉と共に月光は明るさを増し、少女の姿を包み込んだ。

その光が収まってから、輝夜は祈りを捧げ終えて軽く息をついた。

村に向かって頭を下げ、体の向きを変える。

荷物を抱え直して、手にした弓を握り締める。

(もう行かないといけないわ)

まだ出会わない貴方の元へと。

さよならは次の出会いへ繋がって行く筈だから。

短い人間の一生の中で幾度も繰り返されるけれど。

終わりと始まりは、いつも何処かで繋がっている。

(ねえ、もしも貴方が悩んでいるなら。今行くから、待っていて)

自分は貴方に賭けているから。

会って、知ってほしい。

貴方はこの世界の希望なのだと。

それは同時に絶望にもなり得るかもしれないけれど。

信じてる、まだ知らない貴方を。





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