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村から出た輝夜は、何日か掛かって出雲【いずも】の港に着いた。
賑やかな様子に驚きながら市を回り、剣や小太刀などを扱っている店の前で足を止める。
そこで自分の手によく合う懐剣を選んでいると、店の男が興味深そうに尋ねた。
「お嬢ちゃん。着物や玉を見ないで、こんな物騒なもん買うのかい」
「……ええ」
自分で扱っている品物を物騒な物と片付ける男に戸惑いながら頷く。
「へえ、まさか一人旅かい?」
「そうです。まほろばへ」
決めた懐剣の代金を払いながら言うと、男は納得したような顔をした。
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Reservoir Amulet