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「ああ、有り難う。優しい娘さん、助かったよ」

老人も微笑み返して続けた。

「だが巫女じゃないのに荒御魂と話して浄化する人がいるとは、本当に驚いたよ。格好も男の子みたいだしねえ。旅の途中と言っていたが、この道を通るって事は、まさか高千穂へ行くのかい?」

「ええ、少し立ち寄ってみようかと思っています」

輝夜が頷くと、老人は真剣な顔で言った。

「止めた方がいい。幾ら男の身なりをしていても危険だよ。あそこの領主ときたら、気に入らない者がいたら片っ端から牢へ放り込んじまうんだから」

「大した理由も無いのに、ですか?」

「領主に逆らった、それだけで充分なのさ。税の取り立てだって尋常じゃない。帝が定めた税より多くを取り立てて、多い分は自分の物にする。金をばらまくから、上の役人も何も言わない。住んでいる者も牢に入れられるのを恐れて口を閉ざしたままだしね」

老人が息をついて付け加える。

「本当に、どうして帝はあんな領主を放っておくのか……。私は商いで通り掛かっただけだけど、あそこに住んでいる人達は大変だろうねえ」

「そうですか……」

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