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役人の関心が自分から離れて行くのを感じて、輝夜は腕の中で震えている子供に囁いた。

「もう大丈夫よ。行きましょう」

離れた場所に移動すると、子供は泣きながら謝った。

「ごめんなさい、お姉ちゃん。痛かったよね?本当にごめんなさい、僕……」

「どうして貴方が謝るの?貴方は何も悪い事はしていないわ」

輝夜は微笑んで子供の顔を覗き込む。

「さあ、早くお薬を貰っていらっしゃい。お母さんが大変なんでしょう?」

「……うん!有り難う、お姉ちゃん!」

「気を付けてね」

走り去る子供に手を振ってから、ゆっくり背中を伸ばす。

打たれた箇所が、ひりひりと痛んだ。

「間に合って良かった。あんな小さな子が打たれていたら、もっと痛かったに違いないもの」

呟きながら衣の汚れを払っていると、一人の老婆が近付いて来た。

「あんた、大丈夫かい?」

「ええ。有り難うございます」

「これを当ててな。少しは痛みが和らぐからね」

老婆はそう言って、水で湿らせた布を差し出した。

「すみません。助かります」

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