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「でも、放ってはおけませんから。離れていて下さい」

弓を引き絞り、狙いを定める。

放たれた矢は力強く飛んで、見張りのすぐ横を掠めた。

「だ、誰だ!矢を射たのは!」

役人が声を上げ、その視線が輝夜に止まる。

「お前か!?」

「はい。この村から出て行きなさい」

「何だと、何の権利があってそんな事を……!」

「豊葦原の人には誰でも自由に暮らす権利がある筈ですが。悪い事をしていない子供を鞭で打とうとする卑劣な者が人に命じる権利こそ無いでしょう」

鋭い眼差しは、役人を見据えて動かない。

「立ち去りなさい」

輝夜が構えた弓矢に力が込められる。

全く怯えないその様子に、集まって来た村人も声を上げた。

「そ、そうだ。出て行け!」

「旅人さんの言う通りだ!」

「村から出て行け!」

皆に責められた役人は、慌てて背を向ける。

「い、今に見ていろ!」

捨て台詞を残して役人が村から足早に立ち去ると、歓声が上がった。

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